返信する: 笠木恵子から
- Re: 動物管理センターの報告
- 投稿者: little-K 投稿日時: 2011-8-5 9:07
- アンのママさん
いつも貴重なご意見をありがとうございます。
教室のご見学もありがとうございました。
そうですね、飼い主の責任をあまりにも考えずにお気軽に犬を飼う人が多いことが悲劇を生んでいるように思います。
しかし、飼い主ばかりが責められる問題ではないとも思います。
安易に犬を勧める人もいます。
先日も「小型犬は散歩がいらないと言われました」とおっしゃる飼い主さんがおられました。
ただ犬を売ればいいと思ってビジネスに走る販売の実態も忘れてはならないと思います。
いらないことをいうと買わなくなると思っている人たちに、正しい指導する人とタッグを組んでアフターサービスを充実させることでビジネスも拓けることを意識させなければならないと思います。
大手ペットショップでは、すでに指導者と組んで始めているところもありますが、誰と組んでもいい訳ではありません。
知識も技術もまだまだな人を指導者として迎え入れていれば、飼い主さんにとってかえってマイナスになります。
残念ながらこの国では、インストラクターには何の規制もありません。
職業倫理すらないと思われる人が指導していることが多いのが現状です。
その証拠が、海外ではインストラクターになるような人は、必ず動物保護施設で勉強しているのですが、お金を払って海外の著名な行動学者やトレーナーのセミナーを受ければ、自分も同じになれると信じている人が多いのです。
管理センターで仕事を手伝っている友人のインストラクターがよく、「犬の勉強がしたければ、セミナーに行くのではなく、うちに来て犬たちから学べばいいのに」とぼやいています。
よくできる自分の犬だけをトレーニングしても何も勉強にはなりません。
飼い主にやる気があって、積極的に教室に参加する人たちだけを見ていては不幸な犬や不幸な飼い主は決して救えません。
けれどもそんな人たちが積極的に問題を抱えた犬を救おうとしている人のちょっと過酷かも知れないように見える矯正を批判したりするのです。
私の犬も問題を抱えている子がいます。
彼の興奮を鎮めるためにする行為を批判されたこともあります。
でも、批判する人は決して「自分がそんなことをしなくても鎮めてみせる」と言ったためしがありません。
私の犬の問題を正面から受け止め、実際にコントロールできるのは、彼らが忌み嫌う訓練士の友人たちだけです。
こんな状態では、不幸な犬や不幸な飼い主を救えるのは難しいと思うばかりです。
指導者、専門家と称する人たちを変えない限り難しいのではとさえ思えてしまいます。