返信する: 笠木恵子から
- 2012年 今年は、どんな年になるでしょう?
- 投稿者: little-K 投稿日時: 2012-1-1 14:01
- みなさん、明けましておめでとうございます。
昨年は、みなさんにとってどんな年でしたか?
私は、古い生徒さんのワンコたちが次々に天国に旅立ちました。
年末にもリンパ種と戦っていたワンコが静かに戦いを終えて、天国に帰っていきました。
生きとし生けるものは、必ず死にます。
私たちもいつか愛犬の後を追うように死んでいくのです。
私たちは、死ぬために生きているのです。
これは大きな矛盾であると遠い昔から考えられていました。
それでも私たちは、生きていることを楽しみ、有意義に生活することを望み、いろいろなことに苦しみ、腹を立てて怒り、切なさに悲しみ涙しながらも少しずつ死に向かって進んでいるのです。
その不安さを宗教に救いを求める人もいます。
仕事に求める人もいますし、お金や名声に求める人もいます。
そしてステキな相棒と共に暮らすことで不安をまぎらせようとする人がいます。
犬の力は強力です。
私は、1人暮らしで、今年も犬たちとの正月を迎えました。
大みそかに思ったことは、「この1年もなんとか犬たちと楽しく過ごすことができた」です。
新年も「今年も犬たちと楽しく過ごせますように」です。
そのために私がしなければならないことをするだけです。
1年過ぎるごとに、私たちより速い時間を生きる犬たちは、死に向かって確実に進んでいるのですが、そんなことをみじんも感じず、前向きに楽しく過ごそうと頑張っています。
そんな最愛のパートナーのためにも、犬たちの心を少しでも理解し、犬たちと寄り添って生きていけるように努力したいと思います。
犬を人間と同じに考えず、犬らしく生きられるようにしてあげるために、人間社会のルールを犬に押し付けるのではなく、犬が暮らしやすいように妥協点を探ることも大切にしていけたらと思います。
昨年は、シーザー・ミランや「しつけで犬はバカになる」のような発想を拒否するのではなく、問題提議しながら良い犬との関係を考えて勉強し、みなさんといろいろと考えてきました。
都会の犬は、人間のルールにしばられて、犬らしさを否定されていることが多いことを昨年は実感しています。
犬が犬らしくすることは、動物の福祉で大切だと謳われています。
単にトレーニングの方法にごほうびを使うということだけで、犬に優しくしていると自己満足に浸るのでなく、犬の心を理解し、犬の求めていることを知り、どれだけそれを満たしてあげられるのかを考えられる飼い主さんを育てたいと思っています。
犬は、良きリーダーを必要としています。
犬は、自分がリーダーになると人間社会で不安定な気持ちで過ごさねばならなくなります。
犬がいつもリラックスして、楽しくできる環境を飼い主さんに作ってもらいたいと思っています。
年末にあるアニメを見ました。
それはアヤカシと呼ばれる妖怪が見れる能力を持った少年が、同じような力を持っていた祖母の遺品の中にある妖怪の名前を書いた「友人帳」という名簿(契約書)を基にして人に嫌われる妖怪をただ単にやっつけるのでなく、心優しい妖怪のために自分の命を懸けて救おうとしていく物語です。
人に害をなす悪しき者とされる妖怪の中にも人を支え、助ける者もいて、そんな妖怪のために他の妖怪や妖怪退治の人間から妖怪を守りながら友人帳の名前を良い妖怪に返していくというものです。
自分は何度もひどいめにあわされているのに、それでも妖怪を助けようとするその少年は、決して強そうな勇者ではなく、青白い顔の弱々しい少年なのです。
自分が無理解の中で苦しんだから、誰もそんな思いをさせたくないという思いからの行動なのです。
人の先入観に惑わされず、本当に相手にすべきことを考え、相手の心を理解することの大切さ意識している私には、このアニメは今年の私のテーマを表していました。
オペラント条件づけは、科学的な根拠のある方法ではあるけれど、感情を否定している行動優先の科学者的な発想であると私は考えています。
飼い主さんたちは、科学者のように愛犬を見ません。
だからオペラントだけでトレーニングを考えるのは無理があると思っています。
つまり、ごほうびだけのトレーニングは、決して一般的ではないように思えます。
方法のひとつとして考えるべきで、犬との関係作りとは別ものであると思います。
人が誰かに習うにしても教える人との関係によって、教えられる者のできが変わるように、関係作りはそれ自体がとても重要であると思います。
そして良い関係は、良いコミュニケーションから作られると考えられます。
よって今年のテーマは、「より良いコミュニケーションを犬と取れるための努力をしよう!」にしたいと思います。
長くなりましたが、今年も良いコミュニケーションを取れるようにイベントを企画してゆきたいと思っています。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。