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投稿者: little-K 投稿日時: 2014-1-25 13:23
先日、ある飼い主さんがご自分の犬のトレーニングをあるトレーナーさんから習っていたらしいのですが、ヒモのスリットカラー(首がしまる首輪)でジャーク(強くリードを引いて、犬の首にショックをかける方法)を使っていたのですが、犬が咬むなどの問題行動が出てきて悩んでいるところを私の教室にお誘いして下さった方がいらして参加して下さいました。


ワンコは、とても混乱していて、飼い主さんの弱気な態度とジャークする強い行動のはざまで悩んでいるようでした。


弱気な態度というのは、「本当にこの方法でいいのか?」という疑問から来ていて、飼い主さん自身も方法について混乱されていました。


愛犬と絆をむすべず、それでも専門家がいうことなのだから正しいのだろうと思っていらしたようです。


犬も辛かったでしょうが、飼い主さんも辛かったと思います。


また、やんちゃな大型犬の子犬をトレーニングするのに、トレーナーさんに訪問でのプライベートをお願いしたところ、トレーナーさんに飼い主の「接し方」や「態度」が悪いと飼い主さんが責められてしまって(たぶんトレーナーさんは、責めているつもりはないと思いますけど)、飼い主さんは「自分が悪いから犬がトレーニングできない」と自分を責めてしまいトラウマになるほど傷ついてしまったと話して下さいました。


お話を聞いている間にも涙ぐんでおられたので、かなりひどく傷ついておられるということです。


2人の飼い主さんは、同じように異なるトレーナーさんから習っていて、傷ついてしまわれました。

もちろん、飼い主さんを教えていたトレーナーにも問題があったことは間違いありませんが、トレーナーだけが悪いのでしょうか?


私にはそうは思えません。

なぜなら私も後者の方のトレーナーと同じようなことをしていたのです。


今でも古い生徒さんから「怖い」とか、「厳しい」とかと言われて恐れられていたことを思い出話で告白されることがあります。


私には、そんなつもりはなくても、飼い主さんに犬のためにもっと強いエネルギーを出して欲しいと思い、飼い主さんを叱咤激励しているつもりで、飼い主さんを追い詰めてしまっていたのです。


そんな失敗をする度に、どうすればもっと飼い主さんを前向きな気持ちに変えてあげられるのかを考え続けました。


まだ、結論には達していませんが、少なくとも自分の接し方を変えなければ、また飼い主さんを傷つけてしまうと気づいたので独学で心理学を勉強し、飼い主さんの心を傷つけないように頑張っているということです。


なので、他のトレーナーさんの問題も理解できるのですが、ひとつだけ言うなら、この国の犬のトレーニングの指導者教育は、ちょっと大切なところが抜けている気がします。


犬のことばかりで、飼い主のことをケアすることはほとんどカリキュラムに入っていないのです。


それどころか、教育システムの中でも受講者の気持ちや考え方を理解することができていないのが事実です。

先に紹介した飼い主さんと同じような思いをした受講者がたくさんおられます。(ぐちをたくさん聞いてきたので)


犬にばかりでは、飼い主さんを指導することはできません。


飼い主さんの中には、指導者の言うことは「絶対」だったり「正しい」と素直に思ってしまう人もたくさんいます。

それは、情報として「自分にあったトレーニング方法」や「指導方法」があることが伝わっていないからだと思います。


今年のスクールテーマ、「飼い主さんも愛犬も楽しく」と「相思相愛の関係」は、そんな私の今までの生徒さんにかけた心の負担の経験からかも知れません。


指導者の「飼い主さんへの配慮のなさ」や「指導テクニックの低さ」などの問題は一般の飼い主さんには届かない情報だと思います。


飼い主さんが自分や愛犬を守るためには、ぜひ忘れないで欲しいキーワードがあります。


「自分が楽しくできるのか」と「愛犬が楽しそうにしているのか」の2つともがクリアできているかです。


私も自分に課した今年のテーマを生徒さんたちみなさんに感じていてもらえるように頑張りたいと思います。


どうか飼い主さんたちも自衛をしっかりするためにも、もっと広く勉強して欲しいと思います。


そしてしっかりと選択する力を持って下さいね。