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- Re: 最近書き込みが少ないなぁ〜
- 投稿者: little-K 投稿日時: 2008-11-27 22:59
- 白茶白 さん
ようこそ!
そして書き込みをありがとうございます。
そうですねぇ〜、私も警察犬訓練士として学んでいた時期がありました。
その時に常に上の人から言われていたのが、「犬になめられてはいけない」でした。
犬は縦社会のはっきりしている生き物なので、序列をつけることが犬をコントロールする上で、とても大切だと教えられてきました。
確かに、優れたリーダーと犬に認めてもらうために犬にこちらの方が上なのだと理解させる必要があると思ってきました。
しかし、犬の心理学、行動学を学ぶと疑問を感じることがたくさんありました。
まず、自分の身に置き換えて考えてみました。
訳もわからず威張り散らす相手を上と思うのだろうか?
その人のために何かしたいと思うだろうか?
答えは簡単でした。
相手に対して好意を持ち、尊敬でき、信頼できる人であるならば進んで何かしたいと思うだろうと気付いた時に、自分も犬からそう思って欲しいと思うようになりました。
もちろん、犬の脳は私たち人間とは異なった進化をしているので、人間のような細かい感情を持つことはありませんが、犬だってどんな相手なら喜んで一緒に何かしようと考えるだろうと思いました。
しかし、関係を構築することと学習はセパレートに考えないといけないと学びました。
学習に感情は必要ないのです。
関係作りは、学習を円滑にし、犬との生活を楽しいものにするためにあるのだと思います。
学習は、犬に何をすればよいのかを伝える手段であり、学んだ行動を記憶し、常に安定した状態で、こちらから出されるきっかけにより起こるようにすることなのだと思います。
人間にもデリケートで自分にとってマイナスなことをされると、いつまでも尾を引くタイプの人に厳しい教え方は使えません。
少々のマイナスな状況も跳ね返すだけの精神力の持ち主ならば、必要なところで使えば効果的になることもあります。
私自身も「アメ鞭」のトレーニング方法を使ってきたことで、村八分状態になったことがあります。
嫌悪刺激を使うというだけで、暴力訓練士と言われて、批判されてきたのです。
しかし、このできごとが私には良い方向に向くきっかけになりました。
「ほめることしかやらない」と自慢して、私を批判してきた人たちよりもトレーニングの技術を上げる努力をするようになりました。
どんなに偉そうな理想をぶちあげても、実際に自分の犬のコントロールもままならない状態の人に、確実に犬をコントロールでき、安定したハッピーな犬を作った人を批判することはできないのです。
今でも理想を相手に押し付けているような指導者で、自分はGCTもJKCの家庭犬訓練試験も受けていない人はたくさんいます。
競技会で結果も出せないで指導している人もたくさんいます。
大切なことは、その人の言っていることが実際に犬を効果的にトレーニングできているか、否かなのだと思います。
指導者によっては、たった数頭の犬しかトレーニングした経験を持っていない人もいるのです。
たくさんの犬から学ばなければトレーニングの方法が個々に異なることすら理解できないと思います。
犬によっては大きな声を出すだけでパニックになる子もいますし、どんなにひっぱたいてもなでられているような反応する子もいるのです。
同じ犬でも叱ると落ち込んでしまう時と、叱ってもすぐに立ち直ることができる時もある子もいます。
今、教えようとしている犬がどんな心理状態で、学習に対してどのような反応を見せるのかによって、こちらができることは異なってきます。
私の教室を見学された方から「どうして、生徒さんのしていることがみんな違うのですか?」と不思議がられ、質問を受けたことがあります。
当たり前です。
犬はみんな違うのですから、教え方が異なっても不思議ではありません。
どんな方法が自分の犬にとって最適な方法なのかを犬から聞きだせる能力が大切で、それがトレーニング技術なのだと私は思っています。
犬から最適な方法を聞きだせるだけの観察力が大切なのです。
そのやりとりが本当の意味でのトレーニングなのだと思います。
犬の頭の中には常に天秤があって、どちらにしようと考えていると思います。
飼い主の望む行動をするのか、環境刺激に反応するのかを犬が天秤にかけているのです。
飼い主の望む行動をするよりも、環境刺激に反応する方が自分にとって価値があると思うとコントロールできなくなる、それだけのことです。
そして、その判断は犬が自分で考えてするのです。