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インストラクターの新人さんへ
投稿者: little-K 投稿日時: 2009-3-20 15:03
先日、大阪の専門学校の卒業生で私の教え子たちと久しぶりに西宮の居酒屋さんでお茶を飲みながら、酒の肴をたらふく食べてきました。


教え子のひとりは、栃木の会員制トレーニングジムで家庭犬を主に誘導訓練を修業し、もうひとりは岡山の警察犬訓練所で強制法を含む作業犬の訓練を修業して独立した子たちです。

私は、どちらのトレーニングも勉強し、ライセンスも取った両者の情報を持った立場にあります。


2人は、学校の同期です。

進んだ道は異なりますが、真面目に修業し、独立した優秀な新人さんです。


ひとりが久しぶりに会ったら、とても疲れた顔をしていました。

どうしたのか?と聞くと仕事がきつくて休めないと言っていました。


私もかなりきついスケジュールで仕事をしていますが、教えることばかりしているとアッと言う間に自分の知識、技術、情報が枯渇してしまいます。

また、自分の健康も維持できないし、精神的にも追い詰められてしまいます。


疲れた顔をしている教え子に「自分の時間を作らないとダメだよ。」と助言しました。

彼女は、「紹介された仕事を断ると仕事が減ることがこわい」と言いました。


教える仕事は、自分のトレーニング技術を上げること、それを維持する必要があります。

また、知識と情報を常に更新していかねばなりません。


私は1ヶ月で10冊くらいの本を読みます。
犬のトレーニング、犬学、獣医学関係、単なる犬の情報、その他に人の心理学などの本です。

古い本を引っ張り出して読むこともあります。


友人のインストラクターと情報の交換をしたり、教えている時の問題や新たに取組もうとしているプロジェクトの話や研究対象についてや、データの意見を求めたり、求められたりすることもあります。


他にも依頼を受けた先の地域の人との交流や情報交換、行政の意見や情報など、いろいろなところから情報を得ることができるように、自分に関わった方たちとの関係作りは欠かせません。

仕事に追われてしまい、教えるばかりしているとそうした情報源を作ることができなくなります。


また、自分の技術的なところを客観的に見てもらうこともとても重要です。

これは、友人のインストラクターやトレーニングの専門家の友人に見てもらって評価してもらっています。
(ただの飼い主になってしまい、単にドッグスポーツを自分自身が楽しむだけだったり、結果にこだわってしまったりして間違った方向に向いてしまった指導者もいます)


そうした努力を続けて行かねばならないのも、指導者としての資質を維持するために必要不可欠なのです。

時間がないなどの言い訳はプロには通用しません。


また、人に仕事を紹介してもらわねばならないという現状も問題だと彼女に言いました。

確かに最初は紹介してもらわねばならないかも知れません。
でも、確かな仕事をしていれば必ず次へとつながるものです。


今、教えている人が自分を他の友人に自慢して、紹介してくれるものです。

私は、そうやってクライアントの紹介でどんどん仕事を増やして行くことができました。


紹介を断ったら仕事がなくなると考えるのは、自分の仕事をきちんとこなしていないとも言えるのではないかと彼女に言いました。

自分がきちんとしていたら必ず仕事は増えるはずだと自分の経験を話して聞かせたのです。


他人の紹介してもらっているといずれ自分では仕事をセーブできず、他人のペースになってしまいます。


彼女の問題は、そうした他人によるペースで仕事を続けてきたために、自分の時間を作ることができず、ストレスと疲労をどんどんと溜め込んだために起きているのです。


また、自分を客観的に見てもらえる機会をできるだけ持つようにしなさいと助言しました。


側に同期がいるのですから、私でなくても友人と話をすることが大切なのです。


私が教えた人の中には、自分が私と同じ教える立場になったとたんに、全く私のところに顔も見せず、教えることばかりに没頭している人が何人かいます。


そんなひとりの人の話を聞くことができました。
心配していた通りで、勝手な持論を展開して低レベルな話をしているとのことです。

直接に本人から聞いている訳ではありませんが、この世界は狭いですから関わった人たちから話を聞くことができます。


自分が教わった人とすら良好な関係を構築できない人に、クライアントとの良好な関係が構築できるはずもなく、もちろん大切な情報源も持つことができていないのだと簡単に推測することができます。


自分のルーツを常に意識し、自分はたくさんの人のお陰でこうして仕事ができると感謝して、関係作りをきちんとしておけば多くの恩恵を受けることができるのです。


「先輩後輩など関係ない」と言い切った某団体の代表がいました。
彼は、この世界の私の友人たちで著名な人たちから嫌われています。
どんなに彼ががんばったところで、彼の率いている団体が認められるっことは不可能だと私にはわかります。

良い関係作りを怠ったからです。


私も彼に手痛い目に合わされましたが、彼からたくさんのことを学ぶことができました。

私は友人のインストラクターと良い関係を保っていたので、そんな彼の愚行を知ることができました。


人を利用するだけ利用して、無神経なことをして関係を自分から壊しておいて、あたかもその人が自分から勝手に身を引いたように見せかけて自分を正当化していますが、彼をとりまく環境から彼に問題があることは明らかです。


今でも私が教えてきて、ライセンスを取ったとたんに全く知らん顔している人、教える立場になったとたんに全く顔を見せなくなった人たちのことを心配しており、彼らが私を必要としてくれるなら、いつでも迎え入れる準備はあります。


しかし、自分の私に対する態度が顔向けできるものではないと思っているのか、今のところ誰も戻ってはきません。


自分がそれを絶ってしまったことを意識しているならまだ救われますが、それすら気付いていないなら、きっと指導者としての能力が枯渇して消えてしまうでしょう。


かわいい教え子たちには、そんな風になって欲しくないので、つい助言をしてしまいました。


けれども、後は彼らの意志に任せるしかありません。