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現状を知って下さい

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現状を知って下さい     by little-K

前の投稿 : 次の投稿 | 親投稿 : 子投稿.1 | 投稿日時 2014-1-31 11:42 | 最終変更
さっき、ケーブルテレビで「ビクトリアが行く」というのを見て言いました。

イギリスのトレーナーさんが飼い主からの要請で問題行動を治すために行くという番組です。


トレーナーさんがとても美人で、始まったころは、「この人は、マゾ?」と思うような演出がされていて、ちょっとびっくりしましたが、内容はきちんと犬を飼い主に理解させて、問題の原因が自分のあることを受け入れさせるようにしているので、時々参考にさせてもらっています。


今回は、赤ちゃんと3歳児を抱えた若い夫婦がピットブルを野放しにして飼っているところに行きました。


メスを飼っていたところに、オスを新たに飼い、メスが物欲が大きくなり、オスに威嚇したり、耐えきれなくなったオスがケンカを買って大騒ぎになっているすぐそばに赤ちゃんがいる状況です。


赤ちゃんの前に座っているメスが赤ちゃんが手を伸ばすと唸り、3歳児の男の子が刀で犬を突いて遊んでいるところは、私でも「おいおい、そんなことさせてんのかい!」と思ってしまいました。


その上、旦那は、週に1回、土曜日にしか犬の散歩に行っておらず、そんな状況なのにメスに不妊手術をさせず、繁殖をしたいと言っているのです。


これが日本の指導者なら目くじら立てて怒りまくってるだろうなぁと思いつつ、ビクトリアがどんな風に、この旦那を変えるのか見たくて注目していると、彼女は若い夫婦を保護施設に連れて行きました。


イギリスでは犬が過剰になっていて、施設にいる犬たちがなかなか里親出しできず、安楽死させられている現状を夫婦に知ってもらおうとしていました。

安楽死させた犬たちの遺体置場を見た時に、初めて旦那は自分のしようとしていたことがどれだけ犬を苦しめることになるのかを知ったようでした。
奥さんは、見ただけで泣いていました。


そして真面目な顔でカメラに向かい旦那は、「繁殖なんか絶対にしない」と言ってました。


これが日本なら、この旦那を悪者扱いにして責め立て、やめさせようとするでしょう。

昔の私なら厳しく飼い主に伝えてやめさせようとしたでしょう。


前にも書いたことがあったと思いますが、指導者から一方的に飼い主が悪者にされてしまうことは、事態を改善することにならないだけでなく、改善の要になる飼い主の「自信」や「やる気」を低下させてしまい悪化することさえ考えられるのです。


飼い主自身がどうすべきかを考えて、正しい接し方を考えて実践しなければならないのです。

指導者は、そうなるように導いていかねばならないと思います。


指導者としての対応もさながら、動物愛護の先進国のイギリスでも犬が過剰になり、安楽死を行っているということを改めて知って、今の日本が間違った方向に傾きかけていることを強く感じました。


「殺処分ゼロ」を愛護団体がふりかざして、行政の対応を非難しているという話です。

「殺処分ゼロ」は、私もそうなって欲しいと思う理想です。


でも、現実的ではないと思います。

このイギリスの犬の過剰状態を見ても分かるように、犬の繁殖は大きなビジネスです。

子犬をなんとしても安く作って、高く売ることばかりを考えている人たちがたくさんいるのは、日本では繁殖に関して何も規制がないからです。


「血統書」と「純血種」、「チャンピオン犬」といううたい文句で何もしらない人は大金を出すのです。

純血種における深刻な遺伝性疾患についてや、血統書の意味など全く理解しようとしない人が作られた広告を真に受けて、それをすごいことだと信じているのです。


そんな国で、「殺処分ゼロ」などできる訳がないのです。

需要と供給の問題、飼い主の教育問題、指導者や保護活動の在り方の問題などたくさんの問題を解決しない限りはあり得ないことだと私は思います。


それを単に「かわいそうだから」という感情論で推し進めている現実があると聞かされて、とんでもないと思いました。


世間的にも行政に批判が行っていると聞いて驚きました。

今までにも「かわいそうだ」と行政を責めて、犬を引き取ってきた人たちや団体の結果は、犬を集めて管理ができなくなり、共食いまでに至り動物たちに過酷な現実を経験させただけなのです。


一時的な感情だけでものごとを進めることほど、悲惨な結果を招くことはありません。


行政を責めるなら、行政を納得させるだけの改善策を提案すべきです。

誰かを非難するなら誰でもできます。

納得する良い案を考えて実践する行動力を持った人物や団体がいれば私は喜んでサポートするでしょう。


でも、現実は、動物の福祉すら正しく理解できない「かわいそう」という感情だけしか持っていない人や団体に振り回されているだけなのです。


どこかで「殺処分セロ」を実践していると聞きました。

私には信じられません。


話を聞くと、自分の周りの犬を他に回しているだけと聞きました。

場所を変えて施設を空にしているのであれば問題解決とはいえません。


画期的な方法を示して欲しいです。

犬を簡単に里親に出せるとい言っていると聞きました。


犬の性格やバックヤードをしっかりと見定めて、適正な飼育のできる飼い主を探すことは、今の日本の状況で簡単にはできるのでしょうか?

適正な飼育のできる飼い主を育てる環境が整ってきたと言えるのでしょうか?


行政と「飼い主教育」を20年近く行ってきた私には今の状況において考えるなら到底そうは思えません。


どうか耳触りの良い言葉にだまされないで下さい。

「かわいそう」という感情だけで判断しないで下さい。


本当に「不幸な犬」のために頑張っている人たちは、今もたくさんの問題をクリアするために毎日本当に頑張っているのですから。

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