専門学校の学生によく、「先生の犬は、いつも先生を見ているんだね。離れても先生の姿を探しているよ。」とよく言われます。
その通りです。彼らは、群れとしての意識が強く、私をリーダーとして認めているので私の存在を気にするのです。犬は、群れをなす生き物ですから基本的に孤独に弱いのです。
人間も同じですね。一人になることを極端に嫌がる人も存在します。

ですから、犬を孤独にすることは、犬に大きなストレスを与えることになります。
これがわからない飼い主が以外に多いのです。
人間もそうですが物理的には、決して孤独ではないけれども、心が孤独になっていくこともあるのです。
私は、基本的に自分の犬を誰かに長く預けることはあまりしません。
海外に仕事で行くこともあるのですが、帰国後はできるだけ一緒にいてやり、離れていた間の不安感がなくなるまで付き合います。
犬の心を満たすようなコミュニケーションが取れなければ、一緒にいても犬は孤独を感じるのです。


この頃の子供は、この孤独感をよく抱えていると思います。
母親は、いるのですがパソコンに夢中で同じ家にいても子供が孤独を感じていることがあるとあるお話でありました。


犬も同じです。犬と心のコミュニケーションを取れなければ、犬は常に孤独を感じて、大きなストレスを抱えなければならなくなります。
仕事が忙しくても愛犬の心に孤独感など抱かせない飼い主さんもいます。
また、反対に依存度が大きくなり過ぎて、分離不安という心の病気にかかってしまうこともあります。
これは、犬だけでなく飼い主も犬への依存度が大きいとかかってしまいます。
いつも一緒にいることだけが大切なのではありません。
適度に距離を置き、お互いの存在を意識できる関係を築いてこそ孤独感を持たないでいられるのではないでしょうか?


多頭飼いをしていて、1頭だけ連れ歩いている人を知っています。
残された犬たちの世話をしてくれる他人にまかせて、犬たちが安心して留守番できると思っているのでしょうか?


私はいつもフルメンバーを連れ歩いています。
今は亡きネイトも病気で体力がもたなくなるまで連れ歩きました。
彼に肉体的負担をかけていたかも知れません。
でも、私は彼が納得して留守番するという意思表示があるか、ドクターストップがかかるまで彼を連れ歩こうと決めていました。
同じように年老いた先住犬を体調を見ながら、仕事先へのアクセスを考えながら連れ歩いている同業者もいます。
年老いた犬を他人に任せて、若い犬だけを連れて出歩いている人もいます。
指導者として犬のトレーニングを教えるだけでなく、犬との関係作りも教えていかねばならないと私は考えているので、自分の姿をひとつの題材にしたいと思っています。
指導者は、常に自分が生徒さんたちの見本となれるように意識せなばならないと思うからです。愛犬に孤独感をかかえさせないことは、とても大切な飼い主の責任であると私は考えます