なんだかドッグトレーニングというと犬のことばかりを考える人が多いように思います。
でも、本当に犬のことだけでいいのでしょうか?
私はしつけ教室をする仕事なので、たくさんの飼い主さんたちを見てきました。
犬の性格とベストマッチしたバランスの取れたよいペアと犬の性格と合わず、犬を理解しきれていない人、誤解している人のバランスの悪いペアが存在していると思います。
私は初心者の飼い主さんたちに必ずトレーニングで自分のことを考えて欲しいとお話します。
犬と良い関係を保ちたいと思うなら、「犬より長い根気、犬より強い忍耐、犬より大きな努力」の3つが重要だと教えています。
自分に根気や忍耐や努力する気がないなら、犬にあれこれ求めるのはやめてほしいとさえ思います。
押しの強い犬と流されやすい性格の飼い主がペアになると、犬の思うままにされる奴隷となる飼い主になってしまいます。
反対に押しの強い飼い主と従属的な犬だったりすると、犬に要求することをどんどんエスカレートして行くかも知れません。
押しの強いもの同士だったら?
犬の強情さに飼い主が負けまいと対立することにより、両者が常に主張を続けて行くことになるかも知れません。
そして、飼い主の方が罰などを使って犬に言うことをきかない犬に復讐という形で仕返しするかも知れません。
私は、飼い主と犬は縁があって出会ったのだと信じています。
飼い主の性格のいたらないところを補うためだったり、気付かせるために神様が使わしたのだと思っています。
私も愛犬ネイトに短気で直情型の性格を直すきっかけをもらいました。
彼の理解のスピードが遅いとイライラしていた私に、ネイトは「落ち着いてこっちのことを考えてやってくれないなら、付き合ってやらないね!」と言われたものです。
最初は、ネイトのそんな言葉を無視していましたが、トレーニングは犬との共同作業だと思うようになってから、ネイトの行動をとても大切にするようになりました。
その時から、ネイトは素晴らしい教師となって私にトレーニングというのはどういうものなのかを教えてくれました。
自分の相手を思いやらずに自分勝手に進める方法では、決して相手からの理解が得られないと思い知ったのでした。
今では、「丸くなったね。」と古い生徒さんや友達から言われます。
相手を動かしたければ、相手のことをもっとよく考えないといけないとネイトから学んだからです。
ネイトだけでなく、パットを始めとする私の愛犬たちは、今でも私にたくさんのことを教えてくれます。
それは、全て私自身に問題があり、私が変われば自分たちも変えられると常に言ってくれています。
誰よりも愛する犬のために自分を変えることが実はイマイチだった自分を変えることになるのだと思うのです。
私にできたのですから、誰にだってできると思います。
神様から与えられた試練に前向きになって自分を見直して、愛犬と共にハッピーな生活を送りたいと思いませんか?