(Update:2008-9-18 19:58:53)
誘導の意味を考えるーキャッチングの使い方
数年前に巷には、変な宗教が流行っていました。なんちゃって、そうではなくアイコンタクトを取るために、ごほうびを持った手を自分のアゴの下に持っていく誘導が抜けなくて飼い主がみんな同じカッコしてました。
私の教室でもお焼香しているみたいなカッコする飼い主さんがいたりします。
私はできるだけ早い段階で誘導をはずすことを勧めています。
まず考えて欲しいのは、誘導は決して犬のためになることではないということです。
誘導は、単に飼い主が自己満足するためのものであるとさえ思えます。
誘導で犬に自分の要求する行動を取らせたと勘違いして、行動にごほうびを出せば犬が学習してくれると思っているのです。
もちろん、リードで吊り上げたり、お尻を強く押すことには反対ですが、ルアーで犬に高度を取らせることとの違いは、単に犬に嫌な思いをさせているか、いないかのだと思えるのです。
誘導は犬の意思がないので学習できないことが多いのです。
それだけでなく、ルアーを使うことで学習するのはルアーの手を追いかけることだけであったりします。
こうした誘導癖の抜けない生徒さんたちに何か良い方法はないかと考えていたのですが、
最近、キャッチングでごほうびを出す方法を提案しています。
キャッチングは犬にやって欲しい行動を自分でした時だけ、ごほうびを出す方法です。
ひたすら犬が自分で行動するまで待ちます。
環境を整えることはしますが、犬に向けて何かすることはありません。
たとえば、オスワリをさせたいなら立たせて犬が自分から座ったらよくほめて、ごほうびを出すのです。
それをくり返します。
脚側に座るようにするのなら、リードを少しタイトにしておいたり、ターゲットくらいなら1〜2回なら出してもいいのですが、あくまでもターゲットとしてだけです。
飼い主の動きを規制して、誘導を少なくすると犬に飼い主に対しての集中渡が高くなります。
誘導ばかり出していた飼い主に誘導せずにキャッチングに変えさせると、犬の集中渡は確実に上がるのです。
ただし、この方法を使うのはある程度、その行動のトレーニングを経験している犬に限ります。
まだ、行動を教え始めたばかりの犬に使うのはお奨めしません。
この方法は犬に学びやすくするという意図よりも、飼い主の無駄な誘導をなくすことを目的としているからです。
誘導をうまくフェイドアウト(少しずつなくして行くこと)ができるなら別の意味でキャッチングを使うといいかも知れませんが、私が今、誘導を抜けなくなった生徒さんに一番有効な練習方法として使っているのがキャッチングなのです。
そして、なるだけ早く手にごほうびを持たなくても、ルアーで動かさなくても、犬は一生懸命にやってくれるのだと飼い主さんたちにわかってもらえるようにしたいだけなのです。
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