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(Update:2008-1-12 6:40:09)

叱ること(嫌悪刺激)について

はじめに
犬の学習は、
行動を作るか
行動をなくすか
の2つになります。
犬の行動の中の行動をなくすために使われるのが、叱ること(嫌悪刺激)です。


嫌悪刺激と言うのは、相手の嫌がるもの、嫌がることを使って、相手にその行動をすると嫌なものが出てくる、嫌なことになると学習させるために使われるものです。


しかし、嫌悪刺激を使う前に必ず考えて下さい。
単に行動をとめるために使おうとしているのか、別の意味を持っていないかを。



仕返しになっていませんか?
「犬が言うことをきかなかったから」と嫌悪刺激を使う人がいます。
これは、正しい嫌悪刺激の使い方ではありません。
古い考え方で、「犬が言うことをきかない時には、力で強引にでもさせないとリーダーになれない」と未だに信じている人もいます。


しかし、行動を作る、なくすという段階では関係作りは必要ではありません。
全くの別の次元だと思います。


確かに、犬が主張してきた時には、「それはやらない」
と、関係作りのための自己主張は必要だと思います。


でも、学習と関係作りを同時に行うのは、混乱を招いたり、効果的にできなかったりすると思います。


それは、単に自分の言うことを聞かなかった仕返しを犬にしているだけということになると思います。


嫌悪刺激は、相手にダメージを与えたり、自分の主張のためにするものではありません。
ただ、行動を止めるブレーキとして使うのです。


子供への虐待で親は、「どうしてそんなひどいことをしたのか?」と聞かれるとたいがい「言うことをきかないから、しつけのためにやった」と言います。

でも、それは相手のことを思ってやってはいないのです。
自分のうっぷんをはらすために、自分のストレスを発散させるためだけなのです。

そして、その時に使われる嫌悪刺激は必ずと言っていいくらい、暴力なのです。



考えてみて
考えて下さい。
その行動を止めるだけでなく、正しい行動を犬に教えることができるのでしょうか?
もしくは、しましたか?


犬がどう思うかを考えましたか?
よく引張る犬に飼い主がしているのは、引張られたら引張り返すことです。
この行為によって犬は、”引張ると悪いことが起きる”と考えにくいのです。

犬は、「飼い主の側に戻るのに、引張られて苦しい思いをする」と学習することが多いのです。


犬は『結びつき学習』が得意です。
結びつけるためには、単純にして明快にしてやらねば学習しにくくなったり、全く別のことを学習したりしてしまいます。


犬に引張ると嫌な思いをすると思わせたいなら、引張った瞬間に、嫌なことが起きなくてはなりません。
つまり、「引張ったら首が絞まって苦しい思いをする」と学習させるためには、引張ったらすぐに絞まることだけが刺激として存在していなければならないのです。



チェーンカラー
チェーンカラーは、それを犬に教えるための道具です。
決して、人が叩いたり、蹴ったりすることの代わりとして作られた道具ではないのです。


犬が引張った瞬間に首が絞まって、引張ると首が絞まると結びつける学習で人に技術がいらないのです。(人はただある長さにリードを持って固定しているだけでよく、犬が引張った瞬間に立ち止まるだけです。)


人が自分に嫌なことをしていると犬に思わせず、犬の引張る行動と首が絞まるという学習をさせる、これが嫌悪刺激の使い方なのです。



負の強化
その上に、「引張った状態でいると苦しいけれども、飼い主の元に戻ると絞まらなくなって楽になる」という『負の強化』の学習もさせることができます。


負の強化の学習には、嫌悪刺激が行動を起こした直後になくなる必要があります。
チェーンカラーで絞まった首が、人のところに戻るとゆるむのです。
その時に人は、リードを固定しているだけで何も他にすることはありません。



技術とリスク
単純で明快に嫌悪刺激を使うことで、犬に学習をさせることができるということは、裏をかえせば、それだけ嫌悪刺激をいかにうまく使うことができるかでもあります。


ほめること、犬にとって良いことを与えて、犬に行動と良いことを結びつける学習すらうまくできないなら、犬の心にダメージを与えるような嫌悪刺激を使うのはいかがなものかと私は思います。


また、その犬にとっての許容範囲を知っていなければ嫌悪刺激を使うことも他の問題を起こすことになってしまいます。


嫌悪刺激は、強すぎても、弱すぎても効果がありません。
それどころか、強すぎると鋭敏化(許容範囲を超えた刺激のために、正しい学習ができず恐怖心を起こさせてしまい、パニックになること)が起きてしまい、弱すぎると馴化(何度もその刺激を受けてだんだん慣れてしまうこと)してしまい、効果がありません。



まとめ
いろいろと考えてきて、どうでしょう?
嫌悪刺激を使うにはリスクが多いと思いませんか?


私も嫌悪刺激を使うこともあります。
しかし、私はその犬に使える嫌悪刺激の種類や強さを考えます。
嫌悪刺激を使うよりも、犬を喜ばせることの方が手っ取り早いと思えば、すぐに切り替えてしまいます。


私が最も怖いのは、下手に嫌悪刺激を使うことで、犬のやる気を落としてしまうことです。
誰だって、嫌々やるのと、喜んでやるのでは効果が違うことは分かると思います。


犬に過度なストレスをかけることも私は好きではありません。
嫌悪刺激を使われるかも知れないと、犬にストレスをかけてまでさせたいとは思いません。


楽しく、そしてやる気を持って犬にやって欲しいと思うなら、どうか嫌悪刺激を使う前に考えて下さい。


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