style type="text/css">
MY DOG TRAINING SCHOOL  }bqz[y[WWelcome Guest 
ログイン
ユーザー名:

パスワード:


パスワード紛失

アクセスカウンター
08723969
昨日: 0765
今日: 0249
From:2007/11/10
オンライン状況
6 人のユーザが現在オンラインです。 (1 人のユーザが Owners story を参照しています。)

登録ユーザ: 0
ゲスト: 6

もっと...
(Update:2009-3-20 15:52:23)

第11話)片岡君とすずらん

すずらんは、柴犬のミックス犬の女の子です。
片岡君は、難聴の問題を抱えていますが、とても活発で普通の生活をしています。

家族のみんながすずらんのお転婆ぶりに閉口していて、彼女を飼いたいとお願いした片岡君にすずらんの教育が科せられました。

片岡君は、青少年が活動するための会議や活動の場となっている施設で、受付のボランティアをしている仲間にトレーナーの勉強している友達がいることを思い出し、思い切って相談してみました。

「あのさぁ、自分、犬の訓練の勉強してんだろ?うちの犬の訓練の仕方を教えてくれない?」

受付で、部屋を借りに来た人にカギを渡して説明している私の前にメモが置いてありました。

振り向いて、片岡君の顔を覗き込むといつになくマジな顔でこっちを見つめていました。

「わかった!いいよ。教えてあげる。いつから始める?今までになんか教えた?」と彼に聞くと、「これと言って何かを教えたってことはないけど、オスワリと食事を与える前にマテを教えたよ。」と言いました。

「それってどうやって教えたの?」と聞くと、「よくわかんないけどいつの間にかできるようになってた。」と肩をすくめながら彼は言いました。
「あのね、犬がどうやってものを覚えて行くのかを理解してないと、ちゃんと教えられないよ。犬はねぇ」と私は犬の学習について彼に丁寧に説明しました。


彼は、「なるほど!そうなのかぁ〜。犬って賢いよね。それでさっ、聞きたいんだけど、耳の悪い僕にもすずらんが教えられるかな?」ぽつりと彼が言いました。

私は少し胸が痛くなりました。

きっと彼は今までにも難聴というハンデで自分にやれることに限界があるといつも悔しそうに言っているのを私は知っていました。


でも、犬のトレーニングは心と心で作るもので、体のハンデは関係ないと私は彼の目を見つめて断言しました。
彼は嬉しそうなはにかんだ笑顔を浮かべて、「それならがんばるから教えてくれ!」とやる気満々に言いました。

それからお互いに時間を合わせて、彼のところに行き、特訓が始まりました。
すずらんの注意を引くのに彼に足の側面を叩いて音を出し、すずらんが彼の方を向いたらごほうびを出す方法で彼は完璧にすずらんの注意を引くことができるようになりました。
おすわりもふせも簡単に教えられました。


すずらんが注意をそらしたら、すぐに足を叩いて自分の方を向かせてすかさず手話?ハンドシグナルを出すのことも簡単にクリアしました。
すずらんは、あれよあれよと言う間にトレーニングのよく入った犬になりました。
驚いたのは、「そろそろ卒業だね!」と私が言った時に、実は自分の手話サークルで、すずらんのトレーニングの話をしたら、習いたいという人ができたので自分で教えてあげたいと思うと彼が言ったことです。


彼はいつの間にか私よりも先を行くようになっていました。
耳にハンデのある人に実にうまく犬のコントロールの方法を教えることができるようになっていました。
また手話を通じて、犬との関係作りについても熱く語れるようになっていました。

今や彼はライバルです。

彼は、すずらんは自分の良き理解者で、自分をハンデのある人と思わずに普通に接してくれることがとても嬉しいと話していました。


犬のそんなところが好きなのだと言っていました。

彼がハンデを抱えている飼い主をすずらんと一緒に救っているのだと私は確信しました。

まだ、聴導犬など存在していない頃のことです。


しかし、彼はすずらんを自分の聴導犬としてトレーニングしていました。
私からトレーニングのいろいろな情報を得て、彼は常に自分自身ですずらんのトレーニングをしていました。


すずらんは、最後まで彼と一緒にいろいろなことを学び、彼と楽しい時間を過ごしていました。
彼は、誰よりもすずらんが自分を一番理解してくれたと話してくれました。


私は彼とすずらんの関係を素晴らしいと思い、彼とすずらんが歩いている姿をいつまでも心の中に観ています。


プリンタ用画面 友達に伝える
投票数:48 平均点:5.21
前
第10話)石井さんとルイ-ズ
カテゴリートップ
絆物語 - Owners story